地中美術館の次は李禹煥美術館へ。
どう読むのか、どこの国の方なのか、何を制作している方なのか…。
全く知らずに訪れた訳ですが、
この美術館がベネッセ地区の美術館の中で一番のお気に入りとなりました。
開放感のある前庭に
計算され尽くして配置された彫刻群。
入館する前に既に心を奪われてしまい(爆、
ここから動くことができませんでした…。
置かれた彫刻の先にひろがる瀬戸内海。
私が訪れたのは夕刻、ゆっくりと日が沈んでいきます。
光と陰が刻々と変化し、
彫刻群の雰囲気が静かに静かに夜の気配を帯びていきます。
静謐さと妖艶と。
昼にあびた光を発光しながら夜の闇にまぎれていく彫刻群は
この世のものとは思えないくらいの美しさでした。
安藤忠雄設計の美術館。
青く光る無機質なコンクリートの壁。
館内にある作品数は決して多くはないのですが、
自分の鼓動が聞こえるくらい静かな空間で対峙する彼の彫刻は、
美しさと静けさを私にもたらしてくれました。
私はどうなりたいのだろう?
私はどこへ向かっていくのだろう?
「沈黙の間」。
すぐには答えの出ない問いかけが私を思考の奥深くへ誘っていきます。
思考の波の心地よさに浸りながら、
私はいつしか考えることをやめ、ただただ無に帰していきました。
何時間でもいたい、何度でも訪れたい美術館。
そんな場所ができただけで、
ますます直島が身近に、
そして好きになった瞬間でもありました。