2015年7月5日のてしごと、「杏ジャム」。
季節ならではのものというのはよくできているもので、
梅しごとが一段落すると杏の季節がやってくる。
生の杏が出回る期間は1週間程度ととてつもなく短いので、
取り逃がすことなくその時を捕まえる必要がある。
初めて杏を扱ったのは20代の頃、
母がスーパーで売ってたからといって買ってきたことがきっかけだ。
杏は乾燥したものしか見たことがなく、
生の杏を手に入れることができるのかとものすごく驚いた記憶がある。
その時もジャムに仕立てたのだが、
いかんせん持っているテクニックが少なく、
出来上がるまでにかなりの時間を要したし、幾度となく失敗を重ねた。
おかげさまで、今はテクニックを覚え、コツをつかみ、仕上がりも安定してきた。
けれどもなぜだか杏ジャムを作るとその当時の、拙い私のことを思い出す。
それは杏の持つなんともいえない甘酸っぱい匂いによって、
記憶が呼び覚まされるせいかもしれない。