新しい友だちができた。
彼は信号も橋もない島で
農と人をつなげることを生業としている。
快速船に乗り一つ隣の島に行けば
彼を紹介してくれたゲストハウスを営む友人たちが住んでいて
その島から橋を渡り一つ隣の島に行けば
ゲストハウスを紹介してくれた友人が住んでいる。
その島には商船学校があって
会ったことのない大伯父が戦前通っていた。
彼から島の早生みかんを購入した。
小さくて酸っぱくてそして甘かった。
中身が美味しいといわずもがな皮も美しい。
もったいなくて捨てられず
乾燥させて手元にあったタイの手紬糸を染めた。
染液は早生みかんの皮そのものの色だったのに
糸は爽やかな黄色に染まった。
そしてその糸を使って私は小さな布を織りあげた。
誰かの手が作ったものが
何かの縁で私の元に集まり
その集まったものを使って私は作品を作る。
私はその行為をこれからも暮らしの営みの中に取り込んでいく。
しまなみより早生みかん