le22.04.2017

友人が亡くなる5日前に、この日会う約束をしていた。写真集を見るイベントに参加して、ここに泊まって、街をぶらぶらして、美味しいもの食べて、いっぱいおしゃべりして、そして彼女に作ってもらうシャツの打ち合わせをするはずだった。

あまりにも突然すぎる死は、一体何が起こったのかさっぱりわからなくて、この気持ちをどこにどうもっていっていいかわからない。悲しい、悲しい、悲しくてしょうがない。

亡くなった直後、この日この場所に行くのはやめようと思っていたのだが、日が経つにつれ今日ここに彼女がいるような気がしてきた。よし、会いにいこう!と決めたのが2日前。急いでイベントとゲストハウスの予約をした。

彼女としたたくさんの約束を果たすことが、私ができる彼女への供養なのだ。そう思えるようになってきたのは、悪いことではない。

le21.04.2017

食事とデザートは別腹とよく言われているけれども、私は同腹だ。いつもはデザートまで行き着かず、食後にワインとチーズを頼んでご機嫌となる。

今日は美智子ちゃんが考えぬいたコースなので、デザートもきちんと入る。彼女の作るガトーショコラはしっかりした生地なのに食べ心地が軽く、とても幸せな味なのだ。お誘いいただいて、本当にどうもありがとう。楽しい夜だった。

le21.04.2017

メインは牛ほほ肉のワイン煮込み。メニューにいつもある定番料理だが、私はいつも大好きな鴨のコンフィを頼むので、今回初めて食べた。珍しくて得難くて、思わずにやっとしてしまう。

この料理に合わせるのは、重くしっかりした赤ワイン。ワインはこれが一番好みだった。身に付けるもの、食べるものもそうだが、だんだんと作り手の見えるものを選ぶ傾向がある。今度誰かの家に遊びに行く時、ここのワインをお土産に持っていこう。

le21.04.2017

二皿目は海のもの。海老の春巻きと帆立を焼いたもの。アメリケーヌとバルサミコ酢を合わせたソース。この日いただいたもので、このお皿が一番好みだった。

合わせたワインは軽めの赤ワイン。ほほう、こういうのもありなのね。ほんと、食し方は自由で、決まりなど実はないに等しい。

le21.04.2017

シェフが友人のビストロにて。ワイン生産者のお話を聞きながら、ワインに合うお料理を食す。まずは白とロゼからスタート。

ラングドック地方のワイン、この地に住むの友人にここのワイン知っている?と聞いたところ、畑に行ったことがあるよとのこと。世間、というより、世界って狭いなぁと思った。世界中のどこかで誰かが誰かと繋がっている。

le19.04.2017

友が亡くなってからというもの、ずっと「白」について考えている。彼女の好きだった色、白いシャツは彼女の定番のスタイルだった。雪積もる街を旅した時も「白」について話していた。暖かな白、冷ややかな白、柔らかな白、拒む白、賑やかな白、静謐な白……。

「白」っていったいなんなんだろう?と考えながら、今日も白い花を飾った。

le16.04.2017

クリスマスは妹夫婦とプレゼント交換をしているのだが、今回はシフォンケーキ型をリクエストした。冬の『暮らしの手帖』にレシピが載っていて、作りたくてたまらなかったからだ。それなのに初めて作るのは春になってから。冬はやっぱり篭る時期なのだな、と。

初めて作ったシフォンケーキは穴がところどころに開いていた。メレンゲを混ぜる時、潰さないようにおっかなびっくり混ぜていたせいに違いない。次はもっと大胆に。

le15.04.2017

春になるとえぐみの強いものを食べたくなるのは、冬の間身体に溜まった不必要なものを外に出すためだと聞いたことがある。菜の花、たらの芽、うど、蕗の薹……。なるほど、なるほど。その時節の最後を飾るのがこの筍ではないだろうか?

夜、ひっそりと筍を煮る。香ばしく香る匂いはどこまでも甘い。

le14.04.2017

大好きな八重桜が満開になっていた。新しいカメラを買った。今度、そのカメラにモノクロフィルムを入れて撮ろう。似合いそうだ。

月曜日、友人がメッセージを送るねと約束していたのだが、届かない。約束はきちんと守る人なのにおかしいなぁと思い、火曜日の夜メッセージを送ろうと思いスマホを手にしたら、彼女の訃報を知らせるメッセージが届いた。何が起こったのかさっぱりわからかったし、今も夢の中にいるような気分だ。

ことしの桜はやけに目に染みる。

le10.04.2017

暮らしの手帖の編集長である澤田さんとのんちゃんのトークショウを聴きに。縫い物について、手芸について、手を動かすことについて。花森さんの新刊が読みたくなって家路に着いた。

そろそろ散歩が気持ち良い季節になってきた。会社から会場まではてくてく歩いて向かう。夕陽が眩しくて目をつむりたくなるけれど、ずっとみていたくて一生懸命目を開ける。