le08.08.2017

おぐちゃんと1年半ぶりに会う。川内倫子祭り、森岡さんのところで写真を、POSTで映像を観る。映像はムクドリ(だと思うが)が群れをなして飛んでいる姿が印象に残った。さざーっ、さざーっと屋根の上を飛んでいるのだが、その姿は巣に戻るのではなく、新天地に飛び立つように感じがした。また波のようにも見えた。なんだか見習いたい潔さだった。その後、この日のメインイベントである聖司さんのトークショウへ。漱石の『夢十夜』が読みたくなった。そこにあったから写真として残っているにもかかわらず、なんだかそれは夢まぼろしのように私たちの前に形を現す。それは今にも消え入りそうなのだが、観ているうちにじわりじわりと身体の中に入り込み、いつのまにか私たちに取り込まれ、一部となる。そしていつかそれは私たちの夢となって現れる。作品と私たちは途切れることなく循環していく、新たなものを取り入れながら。そんなことを思いながら話を聞いていた。

おぐちゃんと一緒にいると、のんびり、ゆったりした気持ちになる。急いでいるのが馬鹿らしくなって、まぁ、なんとかなるよと思えてしまう。それはきっとおぐちゃんのもつ雰囲気が持っているものなのだろうな。ありがとう。

le07.07.2017

藤原さんの展示を観に蒼穹舎へ。故郷の滋賀の写真たち。初めて藤原さんの作品を観たのは、めちゃくちゃかっこいいポートレート(ジャズミュージシャンだった、はず)で、ドライでそしてクールな感じがした。今回はそんなことはなく、琵琶湖周辺の風景が多いためかとてもしっとりしていた。水がしたたっている、ぽたり、ぽたり。そんな感想を藤原さんにお話したら、あれは素材がめちゃくちゃかっこいいからだよと笑っていた。また水を撮るのはすごく楽で心地よいとも。きっとこれは雪国の人が雪を撮るのと同じ感覚なのだろうなぁと思った。自身の身体の中に、幼い頃から染み付いている何気ないもの。果たして私にとってのそれはなんなのだろうか?そんなことを考えつつ会場を後にした。

le04.07.2017

今シーズン初の台風がやってきた。まだ沖縄の先にあるというのに息苦しい。じっとしている分にはいいが、少し動くとひゅーひゅーいうので会社にも行けない。シーズン初めじゃ身体がまだ慣れてないからしょうがないかと自分で自分を納得させる。こういうことに融通のきく会社でよかった。

寝ていても辛いので起きてできることをと、たまりにたまったフィルムスキャンを。沼垂のZINEを見ながら沼垂の写真を。もう3ヶ月経つのかと初夏のような日差しをモニター越しで眺めていた。

le02.07.2017

先週ピロリ菌除菌のお薬を飲んでいた。アルコール禁は知っていたのだが、まさかコーヒー禁だとは知らなかった。聖司さんのオープニングで会った咲恵ちゃんから、咲恵ちゃん自身が焙煎したコーヒーをもらっていたのだが、除菌中で飲めず……。除菌後のご褒美にしようとるうに取られないようにカウンターにずっと置いておいた。そしてようやく飲める日がやってきた、ばんざーい!

咲恵ちゃんのコーヒーは軽やかで明るく、そして少しだけお日さまの味がした。それはまるで咲恵ちゃんの写真のようだった。

le1er.07.2017

差し入れのジェラートを持って「スナック  ヨ」へ。横山さんが本日限定でスナックのマスターをするというので顔を出した。もともとこのお店の常連さんやら、私みたいに彼の友人やら、店内はいつも人手いっぱいだった。ぽんちゃんに会いたいなぁと思っていたのだが、今日はお留守番で会えずじまい。いつか会える日を楽しみにしていよう。

遅くに聖司さんの展示を観に来た順平くんと会う。間も無くイタリアの出版社から写真集を出す彼、刷り上がり見本を見せてもらった。ご両親の自死をモチーフに家族についてまとめられた写真集なのだが、見ているうちに高校生の時に亡くなった友人を思い出した。あの時、怒りにも似たやるせない気持ちは一体なんだったのだろうか?久しぶりに彼のことを思い出した。写真が記憶を引っ張り出し、新たな感情を生み出す。いい夜だった。

le1er.07.2017

夜、出かける用事があるというのにるうにiPhoneを囓られた。画面にはひびが入り、その上液晶の1/3は流れてしまいまっくろくろすけ。再起動したらなんとかなるかと思い電源を落としたはいいものの、今度はタッチパネルが効かない。踏んだりけったり……。しょうがないので行く場所の情報を紙にメモして出かけることにした。

5月のBBQで出会った人が西荻窪にジェラットリアをオープンすると話していたので行ってきた。この後会う友人への差し入れ、そして私がそこまで歩いて行く時のお供に。ミルクのジェラート、ちょっとだけルバーブをおまけしてもらう。むしむししている梅雨の夜、口の中だけは冷たくひんやりとしていて心地よかった。

口の中が冷えると頭も切り替わるらしく、るうに壊されたiPhoneはきっとデジタルデトックスするためだったのに違いないと思えるようになった。甘くて冷たいものの力は偉大だ。

le1er.07.2017

先生の異動によって月1度の定期通院の病院が変わって半年経つ。病院の前には野原が広がっていてとても開放的だ。下を見下ろすと一面のシロツメクサ、その中にアカツメクサ。早口言葉が言いたくて、あるかどうかわからないけれど、キツメクサを探した。

シロツメクサ、アカツメクサ、キツメクサ。

シロツメクサ、シロツメクサ、アカツメクサ。

le30.06.2017

トークショウの後、岡村さんに貸していたCDを取りに祐天寺にあるpaper poolへ。思いの外お腹が空いていて、あっという間に頼んだ料理を平らげた。トークショウの感想を友人たちに話したり、なにか別のことで談笑したり。トークショウでかなり集中していた気持ちがゆるゆると解き、帰路につく。いい夜だった。

le30.06.2017

田中くんと村越さんのトークショウを聞きにガーディアンガーデンへ。「こういう場で村越さんと話をできるようになった」と話していたのが印象的だった。去年田中くんに会った時「賞が獲りたい」と言ってたものね。本当によかった。トークショウは静かに密やかに進んでいき、その静謐さとは反対に会場はじわりじわりと熱くなってきた。「いろいろやったけれど写真しか残らなかった」という村越さんの言葉が印象的だった。

個展を終えてからというもの、なんで私は写真を撮っているのだろう?と考えることが多々あった。いやいや、私が撮らなくてもいいでしょう?と。けれどもお二人の話を聞いているうちに、写真を撮り続けたくなった。お二人の写真に対する熱が私の身体の中にするりと入り込んだのかもしれない。そしてそれはこの日一番の収穫に違いない。

le30.06.2017

綾子さんの展示を観に銀座へ。仄暗いバーにある、少しだけ開放されたスペースに並んだ白磁の作品たちは、なんだか艶っぽく見えた。いつもは凛とした強さを感じるのだけどなぁ。場所の影響って本当に不思議で面白い。

壁にかかった花器が素敵だった。四角く平べったい花器。この花器に生花ではなく、節子さんのワイヤーの花を飾ったら似合うだろうなぁと思った。想像は楽しい。