黒糖バナナマフィン

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2015年8月29日のてしごと、「黒糖バナナマフィン」。

ここ数日涼しくなったせいか、

バナナが熟すのに日数がかかるようになった。

黒い黒点ができるのをただひたすら待つ。

まだかな?まだだな。

そんな押し問答を何日も一人繰り返し、

ここぞというタイミングでバナナを使った何かを作る。

この日の気分はマフィン。

焼きたてのふわふわをお昼ご飯に食べたくて。

そしてそういうことができることが、

私にとって幸せなことなのだと思う。

梅干し

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2015年6月13日のてしごと、「梅干し」。

2シーズン目の梅干し、約1ヶ月半かけてようやく完成。

これで今年出来あがる梅しごとは全て終了、

あとは来年に出来あがる梅酒4種類を待つのみ。

ようやくほっと一息つけた。

昨シーズンは塩分18%、顔のパーツが思い切り真ん中に寄ってしまうくらいの酸っぱさだった。

「おばあちゃんの梅干し」、そんな名前が似合うような梅干しだった。

そのまま食べるより、青魚の梅煮など料理に使って食べることが多かった。

今シーズンは塩分13%プラス氷砂糖。

やっぱり梅干しを梅干しとして楽しみたい!

そう思ったのがこの濃度にした一番の理由だ。

おにぎりに入れたい、白いご飯の上に乗せたり。

お茶漬けにするのもいいなぁと妄想は膨らむばかり。

ただし梅干しは今シーズンが2回目、

比較対象が昨シーズンのものしかなく、

とりわけ天日干しの判断が難しかった。

昨シーズンは日を追うごとに白く白く塩が浮き上がっていき、ざらっと硬い出来上がりだった。

けれども今シーズンはそのようなことは全くなく、

表面は太陽の光を浴びてしっとりと硬くなり、中身は弾力がある柔らかさのまま。

こんなのでいいのかしら?ちゃんと乾いたのかしら?と思いつつも3日で天日干しを止め、完成とした。

汗をたくさんかいた夏の朝、試しに一つ食べてみた。

確かに酸っぱい。

が、顔のパーツが真ん中によるまでの酸っぱさはなく、

身体がちょうど欲していた塩分だった。

時間の経過とともに塩は丸くなる。

その時どう感じるか、今から楽しみでならない。

そして、来シーズンは氷砂糖の代わりに蜂蜜を使うのもありかもと、

心は「次」に向かって動き始めている。

黒糖バナナマフィン

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2015年7月14日のてしごと、「黒糖バナナマフィン」。

バナナマフィンを焼く時に使うバナナの量について考えている。

食べる直前にほんの少しトースターを使って温める。

バナナがベタつかない、重くならない。

けれどもきちんとバナナのしっとりさが味わえる。

そのための適量って一体どれくらいなのだろうかと。

多かった、少なかった。

そんなことに一喜一憂しながら、適量を探っていく。

その適量を知りたいがために、何度も何度も焼く。

そしてひょんな拍子で出てくる「ちょうどよい」。

分量をメモしたら、私のバナナマフィンが出来あがる。

杏と桃のジャム

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2015年7月8日のてしごと、「杏と桃のジャム」。

 昨シーズン、友人から杏と桃でジャムを作るととっても美味しいと教えてもらって初めて作った。

こんな感じかでいけばいいかなと初チャレンジ、ほっぺたが落ちるくらいに美味しかった。

ぺろりと食べ終わり、もうひと瓶作ろうかしらと思った頃には

案の定杏は市場からなくなっていて、お楽しみは今シーズンまで持ち越すこととなった。

1年間待ちわびたジャム、

桃の果汁を1滴も無駄にしないようにと細心の注意を払って鍋に入れる。

こぼさないように、こぼれないようにと、ほんの少しだけ身体に緊張が走る。

この作業が終わるとなんだかほっとする。

そして杏との酸味と桃の甘みが馴染むように煮詰めていく。

ことこと、ことこと。

さてさて、なにと一緒に食べようか。

煮詰めている間、ただただそのことだけを考える。

杏ジャム

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2015年7月5日のてしごと、「杏ジャム」。

季節ならではのものというのはよくできているもので、

梅しごとが一段落すると杏の季節がやってくる。

生の杏が出回る期間は1週間程度ととてつもなく短いので、

取り逃がすことなくその時を捕まえる必要がある。

初めて杏を扱ったのは20代の頃、

母がスーパーで売ってたからといって買ってきたことがきっかけだ。

杏は乾燥したものしか見たことがなく、

生の杏を手に入れることができるのかとものすごく驚いた記憶がある。

その時もジャムに仕立てたのだが、

いかんせん持っているテクニックが少なく、

出来上がるまでにかなりの時間を要したし、幾度となく失敗を重ねた。

おかげさまで、今はテクニックを覚え、コツをつかみ、仕上がりも安定してきた。

けれどもなぜだか杏ジャムを作るとその当時の、拙い私のことを思い出す。

それは杏の持つなんともいえない甘酸っぱい匂いによって、

記憶が呼び覚まされるせいかもしれない。

夏野菜のピクルス

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2015年6月29日のてしごと、「夏野菜のピクルス」。

暑くむしむししてくると、なぜだか無性に酸っぱいものが食べたくなる。

その結果、夏の間冷蔵庫にはいつもこのピクルスが常備されるようになって早数年となる。

アスパラガスの緑、プチトマトの赤、そしてエリンギの白。

イタリアンカラーに食欲をそそられたいのか、

たまたま好きな野菜を入れているからなのか、

もしくはこれ以上の組み合わせが見つけられないのか、

ピクルス液に漬ける野菜を変えたことはない。

そんな我が家の定番とともに、

今宵もアルコールを夜風に当たりながら楽しむことにする。

梅シロップ

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2015年6月24日のてしごと、「梅シロップ」。

今シーズン、梅シロップ1本、梅酒2本、そして梅干し2キロの梅しごとをしようと思い、梅を5Kg注文した。

梅シロップで1Kg、梅酒2本2Kgを使い、最後に追熟した梅2Kgを梅干しに仕立てようと、

なり口を取り始めたところで、はたと気づいた。

なんだか2Kgもないような気がする……。

重さを測ってみると1.5Kg、500g足りなかった。

その旨だけを伝えようと注文先に連絡したら、

500gではなんだからとご好意で3Kgの梅を追加で送ってくださり、

ありがたく頂戴することにした。

いただいた梅をどう扱おうかなぁと悩む間もなく、

1Kgは梅シロップ、1Kgは梅酒、残り500gずつで梅ジャムと梅味噌という梅しごとを行った。

梅しごとを初めて初のシーズン2本目の梅シロップなのだから、

砂糖の種類を変えればいいのにと思うのだが、

なぜか迷うことなくいつもと同じように仕上げた。

きっとこの作り方で作る梅シロップが私の暮らしの中で定番として根付いていて、

これ以外の作り方をやりたくないのだと思う。

そういうてしごとがあってもいいのかもしれない。

写真は今シーズン梅シロップを作ったら、絶対作ろうと決めていた「梅シロップと晩柑のスープ」。

細川亜衣著、在本彌生写真「スープ」からの一品。

晩柑の爽やかさ、梅の酸味、そしてシロップの甘さが絡まりあい、

これを口にいれたら、それ以上何も口に入れたくなくなる味。

愛しい人たちに食べてもらいたい。

梅味噌

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2015年6月24日のてしごと、「梅味噌」。

今シーズンの梅しごとをブログやFBにアップをしていたら、

友人から「梅味噌、美味しいから作ってみて!」とレシピ付きで紹介されたので、

作ってみることにした。

レシピによると梅の種を外すためかなりの時間をかけて煮詰めることが書いてあったが、

ここは梅ジャムの作り方を応用してみた。

一度、梅を水から煮て柔らかくしたあと、

包丁を使って果肉を種から外し、細かく刻んだものを、

味噌、砂糖と混ぜ、へらでかき混ぜながら煮詰めていく。

火を止めるのは、味噌がとろんと鍋に落ちるころ、

このタイムングは梅ジャムとほぼ同じにした。

ゆるすぎず、固すぎず、いい塩梅の梅味噌に仕上がった。

梅500グラムに対し味噌500グラム、かなりの量が出来上がったので、

愛しい人たちにおすそ分けし終わった。

もらっていただけることは、私にとってかけがえのないくらい大切で、幸せなこと、

受け取ってくださったみなさま、いつもどうもありがとう。

今回のように梅ジャムの作り方を応用して作って思うのは、

やはりレシピはテクニックだということ。

作りたいという本能があり、こういう味に仕上げたいという直感がある。

そのためのテクニック。

テクニックがきちんと自分の手にあるからこそ、

思い通りの味に、品に仕上げることができる。

だからこそ私はレシピをテクニックに重きをおいてて、

作り手側が応用できるように書いていけたらいいなと思っている。

黒糖梅ジャム

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2015年6月22日のてしごと、「黒糖梅ジャム」。

ジャムを作れる分だけの砂糖が今うちにあるかしら?と

うちの中を探していたら、

ちょうど黒糖があったので、甘味を黒糖にすることにした。

うちにあるもので作る。

これが私のてしごとの基本ルールだ。

黒糖を入れた瞬間、

黄色くなるまで追熟させた梅の色は全て綺麗に消え去った。

あぁ、もったいないことをしたなぁと黒糖を入れてから後悔した。

あの沖縄紅型でよく見られるような黄色は

やはり梅でしか出せないもの、その色を殺してしまったからだ。

けれども煮詰めていくうちに、

漆黒の中から何かが艶やかに光リ始めた。

こってりとしたなんとも言えない風合いが鍋の中で際立ち始めた。

黒糖と混ざり、馴染むことで、

梅自身が持つ美しさが表面に現れた瞬間だった。

この美しさが見え隠れし始めた時、

私はようやく黒糖で梅ジャムを作ってみてよかったと思えた。

初めて作った黒糖梅ジャムには改善するところがまだまだたくさんある。

それでも私はこのジャムを私のジャムと胸をはっていうことができる。

愛しい人たちに食べてもらいたいなと思う。

そして、このジャムがこれからどんな過程を経て、最終的な味はどうなるのか。

その経過を私自身が楽しんでいきたいと思う。

梅シロップ

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2015年6月12日のてしごと、「梅シロップ」。

8年前、私が初めて行った梅しごとはこの「梅シロップ」。

初めて作った時の味があまりにも新鮮で美味しくて、

それから毎年同じレシピで必ず作っている。

梅シロップを作っている時、なぜか育てているという感覚が沸き起こってくる。

1日2回、朝と晩、梅からでた水分で、

瓶の底に固まってある砂糖をえぐるように瓶を振る。

この部分の砂糖が溶けますようにと、何度も何度も腕の力を振り絞って、繰り返し瓶を振る。

一度は溶ける、けれども次に降る時はまた固まっている。

けれどもその固まる量が少しずつ少しずつ減っていき、

いつしか砂糖は梅に溶け、そして梅シロップが出来上がる。

その過程が、砂糖が溶けきるまでの期間が持つ期待感が

私にとって育てているという感覚に近いのかもしれない。

ここまで楽しく育てた梅シロップだが、1ヶ月程度で飲みきってしまう。

もう少し飲みたいと瓶をのぞいてみるが、残念ながらもう手元に残っていない。

そのため毎シーズン、今年こそ複数本漬けようと思うのだが、なぜか1シーズンに1本で終わる。

それはもしかしたら、今年も1本育てきったという達成感に私自身が満足しているせいかもしれない。