le04.11.2016

幼い頃、夜になると鏡は異なる世界とつながるものだと信じていた。こっち側から向こう側に連れ去られたり、向こう側からこっち側に恐ろしいものがやってきたり……。そう考え始めるとどんどん怖くなってきて、頭も目も冴えてしまい、しまいには泣き出す始末だった。そんなことは今はないが、この鏡台の布はどこはかとなく見覚えがある。実家の鏡台か祖父母の家の鏡台か、はたまた違う場所の……。

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