le20.01.2020

新しい友だちができた。

彼は信号も橋もない島で

農と人をつなげることを生業としている。

快速船に乗り一つ隣の島に行けば

彼を紹介してくれたゲストハウスを営む友人たちが住んでいて

その島から橋を渡り一つ隣の島に行けば

ゲストハウスを紹介してくれた友人が住んでいる。

その島には商船学校があって

会ったことのない大伯父が戦前通っていた。

彼から島の早生みかんを購入した。

小さくて酸っぱくてそして甘かった。

中身が美味しいといわずもがな皮も美しい。

もったいなくて捨てられず

乾燥させて手元にあったタイの手紬糸を染めた。

染液は早生みかんの皮そのものの色だったのに

糸は爽やかな黄色に染まった。

そしてその糸を使って私は小さな布を織りあげた。

誰かの手が作ったものが

何かの縁で私の元に集まり

その集まったものを使って私は作品を作る。

私はその行為をこれからも暮らしの営みの中に取り込んでいく。

しまなみより早生みかん

le03.09.2018

昨年、友人に分けてもらった柏葉紫陽花。花が終わったら直植えにしようと思っていたのだが、あまりの暑さにやる気が全く起きず、綺麗な枯紫陽花となってしまった。もう少し涼しくなってからやろう。くれぐれも寒いからやらない、ということにならないように。自戒の念を込めて。

そういえば5月、台湾に行ったのだが、いたるところに蓮の花が咲いていて、今シーズンは蓮をまた育てようと意気込んでいたのだが、この気持ちも暑さで吹っ飛んでしまった。来シーズンこそ必ず育てる。決意表明をここにする。

 

le20.08.2018

教会の納涼会でヨーヨー釣りをした。ヨーヨー釣りなんて何十年ぶりだろう?試しては破れ、試しては破れ。やっと釣れた時にはとても嬉しかった。

ただ昔も今も変わらないのは、この釣り果を持て余してしまうこと。この先どうしようか?と考えるものの、なかなか妙案が浮かばない。そういえばこの持て余す気持ちが嫌でこういうことをやらなくなったんだっけ。ヨーヨー釣りひ然り、金魚釣り然り。

le14.08.2018

大伯母から手紙が届いたのでお礼の電話をかけようと思っていたら、まさかのタイミングで大伯母から電話がかかってきた。その話を電話越しにすると、そういうことってあるわよねぇ、以心伝心ね、と笑っていた。疲れてた心と身体が一瞬にしてゆるんだ。

大切な人の声は私を元気にする。私も誰かにとってそういう存在でありたいと願いながら眠りにつくとする。

le13.08.2018

まとわりつく湿り気のせいか、この時期だからか。初めて訪れた島はなぜだか『海辺の生と死』を思い起こさせた。そしていつか私が奄美大島に行くことを予感させるような夏の旅だった。

「会いたい人には必ず会える」

グループ展の芳名帳に懐かしい名前があった。
彼女は2年前にガーナで出会った日本人男性と結婚し、シエラレオネという国で暮らしていた。アフリカとは全く縁のない私だが、彼女のおかげで少しアフリカのこと、シエラレオネのことを学ぶことができた。その彼女の名前が芳名帳にあったのだ。驚かないわけがない。
芳名帳にはコメントがついていた。東京には短い間しか滞在しないこと、このあとはアフリカに帰るのではなく、だんなさまの実家で暮らすということ。そして最後に会えてよかったとつづられていた。いてもたってもいられなくなった私は、彼女に展示を観てくれてありがとうと早速メッセージを送った。
彼女からの返事はすぐに帰ってきた。SNSからすっかり遠ざかっていた彼女は、私が展示を行っているとは全く知らなかった。けれども、これから生まれてくる命のために(そう、彼女は妊娠もしていたのだ!)撮り続けるだろう写真をどうやってまとめようかと思い、偶然にも展示会場の下にある写真屋さんを訪れたのだった。「会いたい人には必ず会える」。そう結んでくれた彼女のメッセージを読むたびに、会いたかったなぁと思う寂しい気持ちや、元気でよかったと思う嬉しい気持ち、母になるのかぁと驚きの気持ちが交互にやってきた。彼女の幸せを祈らずにはいられなかった。
「会いたい人には必ず会える」、いつか私は彼女とどこかで出会うのだろう。その日が今から楽しみでたまらない。

細川亜衣著『野菜』

2週間にわたった修了展が昨日終了した。あっという間だったなと思うと同時に、これでようやく一休みできるとほっとしている。これから来年末の個展までひっそりと潜んで作品を作ろうと考えているところだ。
今回の展示は、これからは食べ物や料理をモチーフに作品を作っていくと決意表明となるよう構成した。そんな記念すべき展示を多くの方が観てくださり、また気にかけてくださったことをとても嬉しく思っている。この場を借りてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。
帰り道、個展会場である古本屋さんに顔をだし、次の個展はこういうものを飾りたいのだけどと今回の作品の中から1点、一番気に入っているものをみてもらった。「うん、いいんじゃない?」と言ってもらい、嬉しかった。「今度は文章も一緒に展示してみたら?」と提案され、ちょっとその場で考えた。脳裏に浮かんだのは、細川亜衣さんの「スープ」という本だった。小説のように流れるレシピとエッセイ、そして在本彌生さんがハッセルブラッドで撮影した写真。料理本とは思えない、ざらつきのある紙で作られた本。あとはいろいろな方の献立日記。細川さんはもちろん、沢村さん、茨木さん。高山さんもそれに近いかもしれない。
例えば私の献立日記を展示するのはどうだろう?ノートブックをそのまま置くのもありだ。この文章のような軽い読み物みたいなものがあってもいい。写真とはなれすぎないようなものと、思いっきりはなしたものと。そんなことを考えながら、家路についた。
古本屋で細川亜衣著『野菜』を購入した。「次は『野菜』なのよ」と綺麗にほほえんでいる彌生さんがふっとよみがえった。そういえば、フィルムで食べ物や料理の写真を撮ってみようと思ったきっかけは、彌生さんの『スープ』の写真だったけ。大丈夫、私が進んでいく方向はこれでいい。

le24.06.2017

先月、いつもと違う道を通って駅からうちに帰ったのだが、その途中に織物教室を見つけた。織物ではないのだが、一度紡ぎのWSに参加したのだが全然上手くできなくて、道具やら材料やらそのままほっぽりぱなしにしたままだった。その話をすると、じゃぁ1度習いに来たらとオーナーがおっしゃってくださり、いろいろなことが落ち着いた今日、ようやく訪れることができた。その時に使った材料を見せると、羊毛の脂がなさすぎでこれじゃ紡ぐのは難しく、またスピンドルという手で紡ぐ方法よりも初心者は機械で紡いでコツをつかんでからスピンドルにいったほうがいいとアドバイスをもらった。ほほぅ、なるほど、なるほど。

羊毛は紡ぐ前に、2本のブラシを使ってブラッシングする。ざっ、ざっ、ざっ。羊毛は右に行ったり、左に行ったり。適当なところでやめ、糸紡ぎ機を使ってよっていく。この音が気持ちよくて、紡がなくてもいいからこのままブラッシングしていたいなぁと思った。なかなか適当なところが見つからない。

 

le28.05.2017

5月は聖母の月。「ロザリオの祈り」は毎年1度当番が回ってくるのだが、私は5月第4週が当番となっている。マリアさまの月にマリアさまの祈り。なんだかとても運が良い。

今日は集まったみなさんでマリアさまをお祝いしましょうと、ミサ後に花をささげた。花に囲まれたマリアさまはいつも以上に清楚な美しさで満ちていた。