グループ展の芳名帳に懐かしい名前があった。
彼女は2年前にガーナで出会った日本人男性と結婚し、シエラレオネという国で暮らしていた。アフリカとは全く縁のない私だが、彼女のおかげで少しアフリカのこと、シエラレオネのことを学ぶことができた。その彼女の名前が芳名帳にあったのだ。驚かないわけがない。
芳名帳にはコメントがついていた。東京には短い間しか滞在しないこと、このあとはアフリカに帰るのではなく、だんなさまの実家で暮らすということ。そして最後に会えてよかったとつづられていた。いてもたってもいられなくなった私は、彼女に展示を観てくれてありがとうと早速メッセージを送った。
彼女からの返事はすぐに帰ってきた。SNSからすっかり遠ざかっていた彼女は、私が展示を行っているとは全く知らなかった。けれども、これから生まれてくる命のために(そう、彼女は妊娠もしていたのだ!)撮り続けるだろう写真をどうやってまとめようかと思い、偶然にも展示会場の下にある写真屋さんを訪れたのだった。「会いたい人には必ず会える」。そう結んでくれた彼女のメッセージを読むたびに、会いたかったなぁと思う寂しい気持ちや、元気でよかったと思う嬉しい気持ち、母になるのかぁと驚きの気持ちが交互にやってきた。彼女の幸せを祈らずにはいられなかった。
「会いたい人には必ず会える」、いつか私は彼女とどこかで出会うのだろう。その日が今から楽しみでたまらない。