マルメロのパウンドケーキ

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2015年12月29日のてしごと、「マルメロのパウンドケーキ」。

毎年30日に友人宅で開催される忘年会への差し入れにと焼いた。

この忘年会も今年で11回目、ここまで続いたことに驚くとともに、このご縁がいつまでも続くことを願う。

10月に作ったマルメロのジャムは少し硬めに出来上がったので、これは焼き菓子に入れたらきっと美味しいものが焼きあがると思っていた。

マフィンにするかパウンドケーキにするか迷ったのだが、瓶の中に入っているジャムを見ているとだんだんパウンドケーキ向きだなと思うようになってきた。そう、それはまるでジャムが語りかけているみたいだった。

パウンドケーキならしっとり重い焼き上がりの方がこのジャムにしっくりはまるのではないかと思い、卵は別立て、ベーキングパウダーは使わないというここ最近はまっているレシピをもとにアレンジした。焼き上がり、断面の美しさにうっとりしてしまったのは言うまでもない。

こんな出来上がりが似合うのではないかと、素材の声を聞きながら、寄り添い、作る。

私はこのようなてしごとを2016年もやり続けていく。

レモンのマーマレード

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2015年12月25日のてしごと、「レモンのマーマレード」。

この日急に明日お客様10名近くを我が家に招くことになり、はてさてなにを用意しておこうと思ったら、冷蔵庫にレモンとクリームチーズがあった。

それなら、クリームチーズにレモンのマーマレードを練りこんで、クラッカーにのせて出すのはどうだろう?とマーマレードを作り始めた。この柑橘系のジャムとクリームチーズの組み合わせは最近のお気に入りだ。味をなじませるためにはやはり前日までには用意しておきたい。しんと静まりかえる夜の闇の中、ことこととマーマレードを鍋で煮詰める時間は、まるで聖なる儀式のようだ。

ここ最近の経験により、チーズとジャム類を別々に出して両方とも好きなだけのせて食べてくださいというより、既に出来上がったものをクラッカーにのせた状態で出した方が手が伸びやすいことがわかった。

うちのみをする時、何度も同じメニューを作り、提供することもある。その時、どうやったら相手にとって食べやすいのだろうか?相手の反応を見ながら、アイデアをもらう。

そのアイデアを形にできるよう考えながら手を動かし、日々の料理を作っている。そしてこの日々の料理をいつの日か誰かに食べてもらいたいなと想像しながら作り続ける。

グラノーラ

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2015年12月10日のてしごと、「グラノーラ」。

食べたい、作りたい、作ろうと思っていたのだが、

材料のドライフルーツが使い切ってしまっていて常備されておらず、

そしてそういう時に限って買い物に行くのがものすごく面倒で、

ついつい後回しになっていた。

ボーナスも出たことだし、ここはひとつ、買い物に行こう!と

意を決して(?)中に入れたいドライフルーツを買いにいったのが9日、

それからの歩みは思っていた通りというか、予想通り早かった。

それにしてもなんであんなに買い物を面倒くさく思ったのだろうか?

それは今での謎のひとつだ。

 

グラノーラはめちゃくちゃテンションが上がるてしごとだ。

おそらくそれは、ほぼ全ての工程を手を使って行っているからではないかと思う。

叩く、混ぜる、そして切る。

手を通して素材の力が私の体内に入り、身体中のどこもかしこも狂喜乱舞する。

それは静かな血沸き肉踊る体験、

私はこの体験を得たいがためにグラノーラを作り続けているのではないだろうか?

かぼちゃのマフィン

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2015年11月23日のてしごと、「かぼちゃのマフィン」。

私のてしごとにはおそらく幾つかのパターンがあると思われる。

毎シーズンごとに作るもの、

作ってみたくて作るもの、

作る必要性があって作るもの。

 

この「かぼちゃのマフィン」は作る必要性があったから作ったものだ。

冷凍庫に保存していた食パンがなくなり、

明日からの朝ごはんに何を食べようかな?と思いあぐねていた。

食パンは水曜日に生協から届けられるから、

できれば買わずに済ませたい。

どうしようかな?と冷蔵庫を覗いてみると、

マフィンに入れるのにちょうどいいくらいのかぼちゃが残っていた。

「そうね、明日からの朝ごはんはかぼちゃのマフィンにしようかしら。」と。

 

私のてしごとは、大抵そんな感じで進んで行く。

だから続けられる。

だからこそ続いている。

みかんのジャム

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2015年11月22日のてしごと、「みかんのジャム」。

このレシピは2年前から持っていたのだけど、なぜか作ろうとは思えなかった。

というのも、以前ポンカンでマーマレードを作ったとき、ものすごく苦く仕上がってしまった。薄皮を剥かなかったからか、皮の白い部分を取りきれなかったからか……。原因はいろいろ考えられるのだが、それからというもの薄皮の薄い柑橘類でジャムを作ろうとは思わなくなってしまったのだ。毎年みかんの時期になるたびに、今年こそは作ってみよう!とレシピを引っ張り出すのだが、やはり触手が動かない。トラウマになってしまったのだろう。

けれども、今シーズンは自然と作ってみようという気持ちが身体のなかから湧き出してきた。このタイミングを逃すことはないなと思い、身構えずにチャレンジしてみた。

ジャムというよりソースみたいな仕上がり、濃厚で、甘酸っぱい。そしてポンカンで作ったときのあの苦味は全くと言っていいほどない。一体あの苦味はなんだったのだろうか?

たっぷりとヨーグルトに注いで食べる。

私は一つのトラウマから脱することができ、そして新しい味を作る喜びを手に入れた。

 

 

かぼちゃのマフィン

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2015年11月8日のてしごと、「かぼちゃのマフィン」。

大好きなかぼちゃ「くり将軍」が手に入ったので、

まずはなにか焼き菓子を焼かないと!と思い、

マフィンを焼くことにした。

「くり将軍」はどちらかというとほくほくした食感で、

水分も少なく、焼き菓子向けのかぼちゃだと私は思っている。

 

マフィンは朝ごはんに食べることが多い。

普段はそんなに甘くすることはないのだが、

このころは疲れていたのか、珍しくイライラしていたのか、

無性に甘いものが欲しかった。

けれども砂糖を多くすることがピンとこなかったので、

普段は使用しないラム酒を少し落としてみることにした。

 

食べる直前に少しトースターで温めたから食べる。

ふわりとラム酒が香る。

そうそう、私が欲していたのはこの甘さ。

欲しているものを食べられたことで、

私の中にあった疲れ等もろもろは

あっという間に消えさった。

レモンのマーマレード

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2015年11月2日のてしごと、「レモンのマーマレード」。

言われてみれば、レモンもなぜかいつもマーマレードに仕立ててしまう。

塩レモンとか、はちみつ漬け、コンフィ……。

レモンを使ったレシピは色々あるけれども、

青い皮のレモンが手に入ったら、それは必ずマーマレードになる。

それは私の中の絶対的なルールであり、

変わることがないことないと思われる。

それくらいにこのレモンの、それも青いレモンのマーマレードは、

私の暮らしに定着しており、なくてはならないものなのだろう。

ただ心の中のどこかに、

いつかコンフィを作ってみたいという願望がある。

それがこの青いレモンの出回っている時期に最も強くなるのか、

それとも今シーズン中なのか、

はたまたシーズンを超え、まだ見ぬシーズンにやってくるのか。

その時を今から実は心待ちにしている私がいる。

りんごのコンポート

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2015年11月2日のてしごと、「りんごのコンポート」。

結局、りんごのコンポートを作るために必要な洋酒は、

角切りりんごのコンポートを作った夕方に買ってきた。

角切りりんごのコンポートが上手くいったので、

違うレシピを試してみたくてしょうがなかったのだと思う。

てしごとには時としてこういう勢いが必要なのだ。

角切りりんごのコンポートの違いはなに?と聞かれたら、

洋酒を入れること(今回はブランデーを利用)と答えるのではなく、

りんごを煮込む際にレモンの皮を入れることだと答えるだろう。

他にも違いが何点かあるのだが、

食したのちはやはりこの答えに、

私自身が一番納得しているからだ。

それぐらいレモンの味と匂いがりんごに、シロップに染み渡っている。

それもりんごの味を損なうことなく、いい塩梅に効いているのだ。

後味にふわっと残るレモンの香り。

たまらない。

角切りりんごのコンポートに比べると、味が複雑なため、

ヨーグルトではなく、バニラアイスを添えてみた。

真冬に暖かい部屋の中で、

きんきんに冷えたりんごのコンポートを食べたら幸せだろうな。

晩秋の午後、ちょっと先の未来に思いを馳せた。

角切りりんごのコンポート

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2015年10月31日のてしごと、「角切りりんごのコンポート」。

りんごのてしごとはジャムしかしないけれども、

何か違うものも作ってみたい!と思ったとたんに、

このレシピが真っ先に目の中にぽんと飛び込んできた。

何度となくこのページをめくっているはずなのに、

興味がないときは全く目に入らず、

興味が出たとたんに私の中の何かが引っかかる。

アンテナを張るということは、きっとこういうことなのだと思う。

レシピでは甘味はグラニュー糖でつけることになっていたが、

もっと甘味を優しくしたいと思い、メープルシロップに変えた。

思った通りの出来上がり、ヨーグルトに添えるのもいいけれど、

ホットケーキの中に練りこんで焼いてもいいと思った。

りんごの世界が広がり始める。

おもしろい。

このレシピの隣には、洋酒を使ったコンポートのレシピも掲載されていた。

うちには洋酒というものが常備されていないため、

まだそのページを眺めているだけだが、

おそらく、いや、確実に洋酒を買ってきて、

そのコンポートを作る日もそう遠くないはずだ。