le28.06.2017

聖司さんのオープニングに、Poetic Scapeへ。『Each Little Thing』、このシリーズは私にとって熱量が高く、長い時間観ていると火傷をしてしまう。一枚一枚を短時間で、そう、ぱっぱっぱっぱっとスライドのようにテンポよく脳に憶えこませながら観るのがちょうど良い。ただ何故だろう、今回はそうではなく、一枚一枚じっくり観る方が心地よかった。それはもしかしたら、ディレクターの柿島さんがこういう風に観て欲しいと考えてセレクトし、並べたからかもしれない。なんにせよ、このシリーズを新しい感覚で観られるようになったのは、私にとって大きな収穫になったことは間違いない。

大手町のお花屋さんでお世話になっていたゆきちゃんが恵比寿に異動してからというもの、このギャラリーに行く時にはゆきちゃんからお花を買ってから歩いて向かう。歩いて15分、展示を観るという高揚した気持ちを少しずつ落ち着かせるにはいい距離だ。

le28.06.2017

川内さんの展示を観に森岡書店銀座店へ。なんとなく「白く」て「軽やか」というイメージを持っていた川内さんなのだが、ここに広がっていたのは「黒く」て「どっしり」していた。まるで大地に根をしっかり張っている生命のような、でも何かをきっかけにさっと飛び立てる身軽さを合わせ持っているような。入口右側の大きな写真がよかった。鳥たちがいっせいに飛び立っている写真。それはまるで、古いものを脱ぎ捨て、新しい世界に迷いもなく飛び込んでいくような感じがした。女性特有の潔さ、男性には少し難しいかもしれない。

le25.06.2017

梅仕事のラストを飾るのは、梅干し。塩分13%、氷砂糖10%が我が家の味。今までジップロックを使って漬けていたが、年を追うごとに量が増えていき、今年から琺瑯容器で漬けることにした。この上に竹の皮を被せ、重石を乗せる。蓋を開けるのは約1ヶ月後、黴が生えないことをひたすら祈りながら床下へ置いた。

le25.06.2017

ペールグリーンの壁に白の螺旋階段の家。可愛らしい家だなぁと思っていたら、今度はピンクのアナベルが咲いていて、ますます可愛らしくなっていた。可愛らしいなぁと思っても私自身がこの色の組み合わせをすることはまずない。うひゃーとちょっと居心地の悪さを感じつつも、こういう色合わせをしていたら、また違った人生もあったのだろうなぁと思った。

色合わせに人生あり。

 

le24.06.2017

先月、いつもと違う道を通って駅からうちに帰ったのだが、その途中に織物教室を見つけた。織物ではないのだが、一度紡ぎのWSに参加したのだが全然上手くできなくて、道具やら材料やらそのままほっぽりぱなしにしたままだった。その話をすると、じゃぁ1度習いに来たらとオーナーがおっしゃってくださり、いろいろなことが落ち着いた今日、ようやく訪れることができた。その時に使った材料を見せると、羊毛の脂がなさすぎでこれじゃ紡ぐのは難しく、またスピンドルという手で紡ぐ方法よりも初心者は機械で紡いでコツをつかんでからスピンドルにいったほうがいいとアドバイスをもらった。ほほぅ、なるほど、なるほど。

羊毛は紡ぐ前に、2本のブラシを使ってブラッシングする。ざっ、ざっ、ざっ。羊毛は右に行ったり、左に行ったり。適当なところでやめ、糸紡ぎ機を使ってよっていく。この音が気持ちよくて、紡がなくてもいいからこのままブラッシングしていたいなぁと思った。なかなか適当なところが見つからない。

 

le23.06.2017

土田さんの展示を観に、YUKI-SISへ。一つの素材だけで一つの作品を作る土田さん、「私はこうしたい」という執念のようなものを毎回感じる。それは作品ごとにある解説にもあらわれていて、こちらの体調が万全じゃないと向き合うことができない。桐野夏生の小説を読む時の感覚ととてもよく似ていて、しっかり地に足がついていないと、すくわれる、持っていかれる。前回は息が詰まりそうになり、到底まっすぐ家に帰ることができなかったが、今回はそんなことはなかった。うん、私は元気だ。

高速道路の地下化がつい先日発表されたが、このような光を見ることができなくなるかと思うと、少しだけ寂しい。少しだけ、ね。

le21.06.2017

和歌子さんの展示を観にPLACE Mへ。『echo』、この写真集は昨年末、柿島さんのところで見せてもらってから気になっていた。BOOK MARTE@高松で展示がかかることを知り、直島に行ったついでに観ようとMARTEに行ったものの他のものがかかっていた。なんと、展示は年明けからだった。思いっきり勘違い……。2月にbooks f3@沼垂に行った時もこの写真集があって、雪国でみる雪の写真はいいなぁと思っていたら、「展示、来月かかるんですよ!」と小倉ちゃん。タイミングが早かった。その沼垂でかかる少し前に森岡書店でかかっていたのだが、私は絶賛冬籠り中で体調が優れず観にいけなかった。このままご縁のない展示かなぁと思っていたのだけど、ようやく観ることができた。3度目ならず4度目の正直。夏に観る雪の写真もいいよと友人は話していたが、現に家のダイニングには雪景色の写真がかかっているが、ほんとこのじめじめした季節に観る雪の写真はなんだかひやりと冷たいものが身体に入ってきてスッキリした。

雪の写真をみるたびに、チエ子ちゃんを思い出す。雪というより白かもしれない。白にもいろいろな白があるんですよね、雪国に住む人の白の捉え方とそうではない人の捉え方は違う、と。彼女が亡くなって2ヶ月経つが、彼女は今もこうやって私の中で生きている。

le20.06.2017

咲恵ちゃんと着付け教室に行ったあと、田中くんのオープニングへ。1_wallのグランプリ受賞記念の展示は、写真と観手との距離が心地よかった。田中くんの展示で感じた初めての感覚は、一体彼に何が起こったのだろう?と考えずにはいられなかった。その後、親しい友人たちと新橋へ。田中くんのお祝いのはずなのに、私が覚えていることといったら、マキナと「パララックスがー」(動作つき)だった。酔いとはいつも、関係のないことばかり鮮明に覚えている。

それにしても新橋は優しい。きちんと23時で店が閉まるのがよい。これならちゃんと終電に間に合う。サラリーマンに愛される街、なるほどなぁと思った。

le20.06.2017

今週の花はくるまき。厚いがくの下からちょこんとこれまた肉厚の花が咲くのが可愛らしい。この花は長めにすっと飾るのが好みで、一番しっくりくると思う。花を選ぶ基準は前にかかっている作品と似合うかどうかなのだが、ここ1年は淡い色のものを選ぶことが多い。白にもいろいろな白があって、この作品の白には濃くて強いものより、淡くて柔らかいものの方が似合うのだろう。

とはいうものの、この花の一番の可愛らしいさは姿形よりもくるまきという名前なんではないかと、私は密かに信じている。